伝統工芸高岡銅器振興協同組合

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ABOUT高岡銅器とは

蝋型鋳造法〈国の伝統的工芸品指定〉現代:ロストワックス鋳造法/精密

最も精度の高い技法です。蜜蝋(ミツバチの巣から抽出)や木蝋(ハゼの実から抽出)に松脂を煮合わせたもので原型を作り、土に包んで高温で焼くと、熱によって原型の蝋が溶け、隙間が生まれます。ここに溶かした金属を流し込みます。
現代では、精密鋳造には、見本品製作に係る生産技術として、ロストワックス法が主流となっています。複雑な形状のためや、金型が高価で金型製作が難しかったり、少量の場合や、正確な寸法精度を必要としない場合は、モデルの周囲にシリコンゴムを流し覆って、ゴム型を作り、その中に蝋を流して模型をつくります。蝋模型をスラリーと称する耐火性の泥漿に浸液し、乾燥させ、より粗い耐火物スラリーを重ね5、6層から8層のコートをして加熱し、脱蝋した後に注湯します。

『攀龍文大花瓶』 須賀松園(初代)

 

 

蝋型鋳造法による「雨龍文花瓶」の製作工程

1.真土作り

焼土とわらを混ぜて、中子と外型用の土を作る

2.中子(中型)作り

挽き型より2cmほど小さく「縄」を巻く

3.中子(中型)作り

真土を「縄」につけながら廻し、挽き、さらに細かくふるった仕上げ真土を粘土液に溶かして挽く

4.地張り

製品の肉厚と同じ厚さに蝋を伸ばし、中子に均一に張る

5.模様作り

模様を作るためを伸ばし、手で龍の形を作る

6.模様づけ

地張りした胴に龍の模様をつける

7.外型作り

非常に細かい焼土( 砥の粉真土)を肌につけ、紙繊維の入った土で薄く包む

8.粗土づけ

わらの入った粗土をつけ、針金で補強する

9.湯口づけ

最初に巻いた「縄」を取り、溶かした金属を注ぐための口を作る

10.脱蝋・焼成

精密な鋳物を造るために、鋳型を温めて蝋を溶かし出し(脱蝋)、さらに鋳型を850~900℃で5~6時間焼成する

11.注湯

鋳型が熱いうちに、湯口から溶かした金属を注ぎ込む

12.型ばらし

すっかり冷えた後、鋳型を割って製品を取り出す

13.仕上げ

蝋の持ち味を鋳肌に生かすように丁寧に仕上げる

14.着色

前処理として、鋳肌の持ち味を生かすため「ぬかみそ」をつけて焼く

15.着色

硫酸銅、緑青などの着色液に浸し、煮込む

16.「雨龍文花瓶」完成

完成品

 

蝋型鋳造法の紹介動画